出来上がりを待つ麦わら帽子たち

NHK総合「おはよう日本」の放送後、弊社に何件かお問い合わせをいただきました。
その中の何人かの方が、

麦わら帽子そのものを最近見かけない、売っていない

といった旨のことを仰っておいででした。
そうなのです。
麦わら帽子だけでなく、素材そのものが少なくなってきているのです。

麦わらの素材は、残念ながら日本ではもうほとんど作られていないのが現状です。
麻やペーパーといった他の天然素材は、ブレードというひも状の帽子材料にするために機械編みで作ることもできるのですが、麦わらに関しては、手編みでないと作ることができません。
機械生産全盛期あたりから、手間隙かかる麦わらよりも早くて量が作れる別の素材にシフトしていったであろう想像も難くありません。

素材そのものが少なくなっているとはいえ、麦わらが手に入る限り、私たちは麦わら帽子を作り続けていくつもりです。
もちろんそれは、ここ岡山で職人が愛情こめて一つ一つ作る麦わら帽子に他ありません。
そんな帽子たちを、一人でも多くの方に愛用していただくことが、私たちの喜びでもあります。

石田琴路